Dominions6チュートリアル:神の設計②「基本戦略」

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元記事:Maerlande's Pretender Design & Analysis

ステップ2:大方針の策定

ステップ1では雇用できるユニットとアクセスできる魔法属性を確認した。次に考えるべきことは、それでどうするかということだ。
私は大まかな指針を決め、それをゲームの三つのフェーズに分けて考える。
一般的に二つのフェーズで強みを持つことはできるが、三つ全て得意にすることは滅多にできない。不得意なフェーズをどう乗り越えるかが勝利のカギとなる。

フェーズ1:序盤戦

序盤とは研究があまり重要ではない時期。または一部の人が言うようにいくつかの重要な研究がある時期。
この時期は主に一般兵と、既にいるのであれば神を用いる。数人の魔術師も使うかもしれない。

序盤戦は拡張と初期ラッシュに費やされる。
まず拡張について。ほとんどの国はawakeに設定した神を用いることにより、拡張を極めて有利に進めることができる。しかしこれは終盤を犠牲にすることを意味する。あなたの国は神に頼らずとも十分に拡張できるだろうか?
マルチプレイにおいては、プレイヤーは1人あたり15州を獲得するのが現実的だ。中には早々に20州以上獲得しようとする人もいるが、それはかえって短命に終わる可能性がある。各国の状況を表すグラフがオフのゲームならそれも悪くないが、グラフが見えるゲームだと大国は目を付けられやすい。
私は適度に拡大し、平均的な規模を維持することを好む。とはいえ急速に拡大する国家に対処するために同盟を結ぶ能力はコミュニティによって大きな差がある。

なのでそのコミュニティの雰囲気や大国を前に結束する可能性を把握することは欠かせない。

大規模な祝福やawakeの神があれば序盤の拡張はとても楽になる。
それらがない場合は用兵(部隊の初期位置や命令の設定)がものを言う。必要最小限の兵力で戦う練習をすれば上達していくだろう。
あるいは拡張に使える強力な兵士がいるか。

LA/Erytheiaの場合:
テストプレイを通じて、Erytheiaのsacred兵は最小限の祝福でも拡張には役立つことが分かった。
大規模なマルチプレイなら、様々な神の設計で拡張の練習をするといいだろう。

私が有効だと感じたのは、少数のSoldier of the Setting SunとHopliteが中央でcrossbowの矢弾を引き受け、PhalangiteとThyreopholiteが側面から敵を叩く戦術だ。

この国はマルチプレイにおける初期ラッシュに対して有効な防御策となるBody Ethereal等の自己強化魔法を素早く研究するポテンシャルがあるため、Alteration研究がレベル4になるまで研究を重視するのも効果的だ。
これもまた祝福を重視しなくて済む理由の一つであり、その分のデザインポイント(神の設計時に使うポイント)を経済スケールや研究力に回すことができる。

フェーズ2:中盤戦

私の定義する中盤とは、魔法が兵士と同じくらいの影響力を持つ時期だ。この時期は魔法や召喚によって、軍団を補強することができるようになる。
また初期の拡張が完了し、外交と作戦行動が本格化する時期とも言える。

中盤戦においては魔術師のサポートを受けた兵士やthug(比較的安価な戦闘型指揮官)が猛威を振るう。しかし研究が非常に重要な時期でもあるため魔術師は引っ張りだこだ。
中盤戦を生き抜くための有効な戦略を用意できているだろうか。
探したいのは、雇用または召喚可能で装備が安く済むthugだ。Dominions5では、私はthugの総コストを宝石15個以内に抑えるようにしている。(Dominions6においても同様と考えていいと思います)
これはthugには特定の目的があるというコンセプトに基づいている。
目的というのは軽~中程度の州防衛、敵thugの殺害、または軍に随伴して戦力の一部となることだ。
それぞれの目的には異なる装備や自己強化呪文が必要になる傾向がある。

また、本格的にマジックサイト(宝石を生む土地)を探索しなければならない時期でもある。その分布傾向からして、2種または3種の魔法技能を持つ魔術師による実地探索が圧倒的に効率が良い。
解析によるとマップに出力されるマジックサイトの約90%がレベル2以下だ。
つまり、最も効率的な探索者はレベル2の魔法技能を複数持つ魔術師ということになる。それに加えてレベル1の魔法技能を持つことも無駄にはならない。
マジックサイトを探索する魔法について私の場合は、複数の魔術師による実地探索によって生じた微妙なギャップを埋めたり、後になって中立勢力の雇用や召喚によって手に入れることができた魔法属性のために利用する。

これらのことから、中盤戦における宝石、軍隊、thug、研究のバランスは神の設計に大きく影響する。
国の強みを生かし、極端に苦手なことが生まれないような設計にできているだろうか?隣国を征服する手段はあるか?
弱小の隣国を見定め、上位グループに食い込むための計画を始めるのがこの時期の仕事だ。
この時期になると、優勝候補は3~4人に絞られてくる。

多くの国が雇用型の兵士から召喚型の兵士にシフトし始める。
この時、召喚呪文のコストパフォーマンスはとても重要だ。中には終盤でも使い続けられる非常に効率的な召喚呪文もあるが、この時期に唱えられるものの多くは非効率的な召喚呪文だ。
しかし非効率的な召喚の中には、初期ラッシュの際に防御を固めるなど、ニッチな状況で役立つものもある。
召喚効率について詳しく説明するのはこのガイドの目的ではないが、詠唱者の魔法技能が高いほど効率が上昇する召喚呪文が多いことは覚えていて欲しい。
高度な祝福を可能にする神はすなわち特定の属性において高い魔法技能を持つということなので、高効率の召喚も可能にする。

Erytheiaの場合:
アクセスできる魔法属性は多いが、伸びは悪い。
そのため、Erytheiaの魔術師は幅広い戦闘魔法を唱えることができるが、質の高い兵士を召喚することは難しい。
召喚魔法だけでなく戦闘魔法のためにも、マジックブースターを作ることが大きな助けになる。
利用可能な魔法を再度見直してみると、ゲーム中盤のカギとなる魔法がいくつか見えてきた。
Alterationのレベル5付近には火、地、水、星属性の有用なバフ呪文が多い。
Conjurationが3あれば、土と火の技能をブーストする呪文が唱えられる。
マジックブースターを活用すれば、Evocation4~6において火、地、水の様々な呪文を唱えることができる。

またErytheiaはcommunionを利用することができる。
communionを効果的に活用するためには、Light of the Nothen Starを詠唱するためのConjuration5と、communionと星属性の攻撃呪文を唱えるためのThaumaturgy4以上が重要になる。

ざっと見た感じ、Erytheiaの固有呪文は注目に値するが、優れた召喚魔法は多くない。
よく分からないという人は、Mod InspectorにアクセスしてLA/Erytheiaを選択し、national onlyにチェックを入れれば簡単に見られる。
これらの多くは魔法技能3を必要としており、マジックブースターを作成するのが望ましい。
また、国が持たない属性を要求するものもある。
私はこれらの属性を国にもたらすために神を設計したいと考えている。
レインボー型、または幅広い魔法技能を持つ巨人型の神は素晴らしい解決法になってくれそうだ。

(量産可能な)マジックブースターに関してはConstruction5で約半分、Construction7で残りが解禁される。これらはゲーム中盤の研究計画のもう一つの重要な目標になる。

フェーズ3:終盤戦

終盤は研究がものを言う時期だ。
非常に小さなマップでプレイするのでもない限り、終盤戦のための計画が必要になる。
ここでは終盤戦を勝ち抜くための定石を紹介する。

  1. 強大化して圧倒する。
    これは祝福を軸とする場合の基本戦略になる。なぜなら祝福された兵士は終盤になると以前ほど強力な存在ではなくなるからだ。
    もしあなたがまだこの世界で一番の大国になれていないのであれば、ゲーム終盤に敵から放たれる高位魔法が非常に痛いと感じるだろう。祝福された兵士を敵の3倍並べようとも、teleportとmaster enslaveの前では無力だ。
  2. 異常な量の自動産出ユニットで世界を覆い尽くす。
    この戦略を用いる定番の国家は、EA・MA/Pan、MA/Asphodel、MA/Sceleria、LA/Lemuria、EA・LA/R’lyeh。
    しかし自動産出ユニットを何の工夫も無しに出撃させてもハエのように潰されるだけなので、強力なバフ呪文による補助は欠かせない。この戦略ではWill of the Fate、Army of Gold/Lead、Mass 〇〇やその他、とにかく広範囲のバフ呪文をかけまくらなければならない。
  3. 敵軍を壊滅させる魔術部隊を展開する。
    この戦略を考える時に真っ先に思い浮かぶのは星と血属性だ。元素魔法(火、水、風、地)は広範囲の耐性魔法が存在するため使いづらい。これを採用するなら、幅広い属性を用意することを強く推奨する。
    また敵の注意を引いたりstorm flyerによる急襲を防ぐため、少数のエリート部隊をこれに加えるのが個人的には好きだ。
  4. thugとSC(SCとは無制限に強化した戦闘型指揮官のこと)
    私はこれを戦略の一つとして扱うが、個人的には大きな欠陥があると思う。
    これはどの戦略にも含まれるべきであり、これ一つでは成功しないからだ。
    無敵のSCなど存在しない。それなのに宝石を200も費やしたSCを単独行動させている人をよく見かける。すると最適なカウンターが飛んできて、パッと消える。費やした宝石が全て無駄になる。
  5. 勝利に直結する世界呪附を唱える。
    明確に該当するのはUtterdark、Burden of Time、Arcane Nexus、Astral Corruptionだ。
    しかし全方位からの攻撃を撃退するだけの兵力がないうちに発動するのは自殺行為だ。
    と言っても、他者を出し抜いて早々に詠唱するつもりでなければ、これらの魔法は誰かに先を越される可能性が高いというジレンマがある。
  6. 礎石となる世界呪附を唱える。
    それ一つで勝利に繋がるものではないが、重要な世界呪附のこと。
    宝石を生成する世界呪附は全てこれに該当し、Gift of Healthのように非常に有益なものもこれにあたる。
    これらは対戦相手に直ちに危機感を抱かせるようなものでは無いというメリットもある。
    考慮すべき重要な点は、どうやって唱えるかということだ。
    雇用できる魔術師に唱えさせる?ブースターが必要?神に唱えさせる?
    the Looming Hellといった奇妙な呪文もこれに類する。
    直接的な勝利はもたらさないが、安くて敵の侵入に対する大きな抑止力となる。
  7. 大量のblood slaveとblood sucrificeによるドミニオンキル。
    これが可能な国は限られるが、上手くやれば非常に効果的だ。
    ここでは詳しく説明しない。
    (ドミニオンキルとは自国のドミニオンで敵のドミニオンを塗り替えて消滅させること)
Erytheiaの場合:
これまで見てきたものを踏まえると、終盤戦における最良の戦略は3番、つまり高位の攻撃呪文を唱える魔術師を軍団に加えるやり方だろう。
Erytheiaはcommunionを利用しやすく、幅広い魔法技能を持つため、EvocationやThaumaturgyに属する高位の攻撃呪文で敵軍を壊滅させることが可能だ。

終盤の戦略の一環として、私はNaiad、Kokythiad、Lamia Queenといった多様な魔術師を召喚し、使える魔術の幅を広げるつもりだ。
これらの多くは大量の宝石と高レベルのConjuration研究を必要とする。
幸いこの国はレベル2以上に伸びる魔法属性が多いため、宝石収入は比較的潤沢なはずだ。
とはいえLAは全体的にマジックサイトの数が少ない時代なので、あくまで他国と比べればという話であって絶対数はそれほど多くない。

ランダムで獲得する魔法技能が非常に多いため、世界呪附を唱える難易度について予測するのは難しい。
世界呪附の多くはレベル5以上の魔法技能と多くの宝石を必要とするため、神、召喚によって得られる魔術師、マジックブースターが必要になるだろう。
序盤の時点で明確にこれを唱えると決められるような世界呪附はない。

私はますます神に幅広い魔法属性を持たせることが最適だと感じている。

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次回は神の設計③、神の典型例。

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