Dominions6チュートリアル:神の設計①「国選び」

 以前こちらに私製のDominions6チュートリアル記事を投稿していましたが、今振り返ってみると間違っている点がいくつも存在しました。
なので今までの記事は削除し、Dominions 5 wiki(英wiki)にあるガイドをベースにした新たなチュートリアル記事を作成することにしました。
Dominions5と6で異なるポイントは、適宜6の仕様に合わせて修正します。

今回はMaerlande's Pretender Design & Analysisを基に神の設計について説明します。
必ずしもこのガイドに限った話ではありませんが、マルチプレイを前提にしていることもあって初心者向けとは言えない内容も含まれます。
また私の翻訳能力の問題から理解しづらい部分もあると思います。
なのでいきなり全てを理解しようとはせず、部分部分を知識として吸収するくらいの見方をお薦めします。

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ステップ 1: 自国を知ろう

全体的な注目ポイント

  1. どのようなsacred兵を生産できるか。 それらの生産は首都限定か。
  2. どのようなsacred指揮官およびsacred魔術師を生産できるか。 それらの生産は首都限定か。
  3. 上記以外に首都限定生産のユニットがいるか。
  4. 上記のユニットは特別な能力を持ってるか。
  5. 首都限定生産の指揮官や魔術師がいるか。
  6. 確実に得られる魔法属性は何か。 それらは首都に限定されるか。
  7. 確率で得られる魔法属性は何か。 魔法属性の組み合わせはどうか。
  8. どんな研究要員がいるか。 sacred? 安価? 要塞要らず?
  9. 強力だが雇用に時間がかかる(commander pointが4の)指揮官がいるか。
  10. 首都はどんな宝石を産出するか。

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例としてLA/Erytheiaでプレイすることを想定しながら、これらについて考えてみよう。
それぞれの番号が上記の項目と対応している。

  1. sacred兵は価格も機能も平凡。
    最大の問題として陸上でのcombat move(戦場における移動速度)が非常に遅く、疲労が溜まりやすい。一方でErytheiaの殆どの兵士は水中用の第二形態を持っている。
    他のユニットと比較してみよう。
    まずErytheiaのsacred兵は1体30ゴールド・36リソースで、優れた防御力と1マスにつき4回の攻撃(1マスに4体入れて各自が1回攻撃)、魔法の武器(敵のEtherealを無効化)、13HPを持つが、陸上でのcombat moveが非常に遅い。
    妥当な比較対象は1体26ゴールド・4リソースで同じく第二形態を持つLA/Mictranのsacred兵だろう。
    リソースに限って言えば彼らは神の設計でProductivityにポイントを割かなくても簡単に量産できる。また彼らは俊足で、第二形態も含めると実質的に30HPを持つ。そして第二形態の状態では1マスにつき6回の攻撃(1マスに2体入れて各自が3回攻撃)ができる。
    この比較を見るに、個人的にはErytheiaのsacred兵に対して大規模な祝福を施すことは推奨できない。ちょっとした祝福で十分だろう。
  2. どのsacred魔術師も強力な戦闘型指揮官にはなりそうもないため、やはり大規模な祝福は避けるのが良さそうだ。
  3. 首都限定ではないsacred魔術師がいるが、それらの雇用は沿岸州に限定される。
  4. Prince of the Setting SunとPrincess of the Setting Sunというユニットは狂気(確率で命令不可)を持つほか、研究によって複雑なイベントが起こる可能性がある。
    扱い難くはあるものの、彼らが必要になることは明白だ。
  5. 代わりにDaduchosは分かりやすく優秀で、魔術師向けのちょっとした祝福を与える価値がある。
    まず雇用費に対する研究ポイントが高い。レベル2の魔法技能を得る確率も良好で、僅かながらレベル3の魔法技能を得る確率もある。
    また彼らはsacredなので維持費も安く済み、沿岸に建てられた(寺院とラボ付きの)要塞であればどこでも雇えるはずだ。
    内陸の要塞で雇えるのはMysticに限られる。Mysticも悪くないがsacredを持たず、魔法属性の幅も広くない。
  6. Erytheiaには水棲(上陸不可)の兵士と魔術師がいる。
    注目すべき点は、この国で唯一緑魔法にアクセス可能なPearl Mageが水棲であることだ。陸上で緑魔法を行使するには特定のマジックアイテムかConjurationによる召喚が必要になる。
    緑魔法はこの国にとって重要ではないが、Conj5のContact Naiadで呼べるNaiadは選択肢を大きく増やしてくれるはずだ。そのためには水3緑1が必要になるが、これはブースターアイテム(魔法技能を増強してくれるマジックアイテム)で簡単に達成できる。
  7. 獲得しうる魔法属性の幅は広いが、伸びは悪い。
    この国の魔術師はランダムで得る魔法技能が多く、火、水、星が最も伸びやすい。地と風もレベル2までは伸びやすい。そして僅かな緑がある。死と幻は完全に欠落している。
  8. 研究力は非常に高い。DaduchosとMysticという2種の研究向きの魔術師がいる。
  9. PrinceおよびPrincess of the Setting Sunはcommander pointが4なので雇用に時間がかかる。
  10. 首都は火の宝石を2、水の宝石を1、真珠(星の宝石)を1つ産出する。

一般兵の注目ポイント

このセクションは神の設計の中でも主に経済スケール(Heat/ColdやLucky/Unlucky等)に影響し、特にProductivityの設定を左右する。例えば自国の主力兵科が少ないゴールドと多くのリソースを要求するものならば、TurmoilかつProductivityという設定が最適かもしれない。注目すべき点は以下の通り:

  1. att(命中)、def(回避)またはstr(筋力)に優れる兵士がいるか。
  2. prec(射撃精度)に優れる射手がいるか。
  3. コスパの良い射手がいるか。(具体的には10ゴールド以下かつ要求リソースが低いもの、またはクロスボウのようにarmor piercing能力を持つもの)
  4. 強力な射手がいるか。(long bowまたはcomposit bowの弓兵、strが強くjavelin・stone・stickのいずれかを持つ兵など)
  5. protection(防御力)が高い(15以上)兵士がいるか。 その兵士のdefはいかほどか。
  6. enc(疲労速度)の高い兵士がいるか。(例えばAtlantisのように)
  7. その他の優れた能力を持つ兵士がいるか。(例えば自然治癒、ステルス、タワーシールド持ち、足が速い等)
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Erytheiaの一般兵はなかなか面白い組み合わせで、三つに大別することができる。
一つは沿岸の要塞で雇用可能な、水陸に合わせた二つの形態を持つユニット。
二つ目は沿岸または内陸の要塞で雇用可能な、一般的な陸上ユニット。
そして水中の要塞で雇える水棲のユニット。

これが意味するところは、ゲーム内では水中と沿岸に一つずつ要塞を作るまでは全ての兵士のステータスを確認することができないということだ。
なので最初の国家選択や神の設計の時点で確認すると良い。

Erytheiaの全ての重歩兵はformation fighter技能を持っている。
これは1マスに入れる兵士を1人増やし、すなわち1マスあたりの攻撃回数が1増える。
この技能によって近接戦闘部隊のダメージ効率は如実に上昇する。
またErytheiaの近接戦闘部隊はリソースコストが高いので、経済スケールはProductivityに傾けるのが望ましい。

沿岸の要塞で雇えるamphibious(水陸両用)ユニットは地上では足が遅い。
Late Ageにおいては、これは交戦に入るまでに長時間crossbowの矢弾に晒されるリスクがあることを意味する。
sacred兵を含む重歩兵に至ってはさらに半分の移動力しかない。
一方で射撃兵に関して言えば、投槍を持つまともな軽歩兵がいる。
なので重歩兵を雇いつつ、余ったリソースで軽歩兵を雇うのが有効だと思う。
拡大してリソース収入が増えたら比率を調整することになる。

また、攻城戦やパトロールのために頭数が欲しい時は単純にリソースコストが少ない兵士を雇えばいい。
彼らは水中でも使えるが弱い奇妙なcrossbowを持っている。
中立勢力のcrossbowと比べて威力が1低く、射程は15も短い。
陸上で使うなら中立勢力のcrossbowmanを雇う方が良い。
しかし水中では普通の射撃武器は使用できないため、奇妙なcrossbowが役立つ。

水棲の兵士は概ね一般的なトリトン兵であり、水中ではそれなりに仕事をするが陸に上がれない。

全体を通して標準的なゴールドコストに一部高いリソースコストの兵士がいる。
この特徴からすると経済スケールをプラスに傾けたうえで混成部隊を作るのが良さそうだ。
Late Ageであるため、マップや対戦相手によっては早期に海中に進出できることが大きな助けになることもある。


魔術師の注目ポイント

利用できる魔術師の能力によって、ゲーム中盤から終盤にかけてのポテンシャルが大きく左右される。
一般兵も依然として重要ではあるものの、戦力の核となるのは召喚、マジックアイテム、戦闘魔法になる。
世界呪附もまた重要で、それらを唱えるにはマジックブースターや高級魔術師や神の魔法技能を踏まえて事前に計画する必要がある。
あなたが利用できる魔術師について考慮すべき点は以下の通り:

  1. 自国が最も得意とする魔法属性は何か。
  2. 二番目に得意な魔法属性は何か。
  3. その二つにはシナジーがあるか。 例えば火と地ならマグマ系の魔術が使える。
  4. 三番目に得意な魔法属性は何か。
  5. 三番目の魔法属性はレベル1止まりか、それとも十分な確率でレベル2に達しうるか。
    ここで言う十分な確率とは最低でも50%で4つのうちいずれかの属性がつくこと。
    確率が10%かつ2つ以上の分岐があるものは使い物にならない。
  6. 雇える魔術師でどんなマジックブースターが生産できるか。
  7. 戦力増強のために必要となるブースターは何か。
     例えばErytheiaは火魔法が得意だが死属性が全く無い。
    火技能が+1されるSkull of Fire(要火1死1)が作れるようになると非常に役立つ。
  8. 自国に合うクロスパスの召喚、マジックアイテム、戦闘魔法は何か。(クロスパスとは二つの魔法属性の組み合わせのこと)
    例えばErytheiaには火3星1,火3緑2、地3風1を要求する優れた召喚魔法がある。
    しかし偶然に任せていてはレベル3の魔法技能を獲得するのは難しい。
    これは神に幅広い魔法技能を持たせることを後押しする要素となる。
    またNaiadのように、どの国でも召喚できる魔術師の存在も重要になるだろう。
  9. 無いと困る重要な魔法属性が欠けていないか。 最も一般的なのは星属性の欠如。
  10. どのような聖職者を雇えるか。 聖3を持つ聖職者が雇えるか。
  11. 戦闘型指揮官になれるほどタフな魔術師はいるか。 魔法によって自己強化ができる戦闘型指揮官は必要な装備が少ないので、非常に強力。
  12. 足回りに問題を抱えていないか。 一部の魔術師は全体マップにおいて非常に鈍足。
  13. 年齢の問題はないか。 この点においてはAbysiaが最も深刻だが、それ以外の国でもこれに対処する必要があるかもしれない。
    例えばErytheiaにおいても多くの人がUnagingの祝福を取得することを推奨していて、これは安価な祝福なのでとても役立つだろう。
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Erytheiaの場合:
最初のセクションでも言及したPrinceとPrincessは25%の確率で獲得する魔法技能を8つ持っている。
ここで確率を計算するつもりはないが、これは多くの属性でレベル3の技能を手に入れる可能性を与えている。ただし幸運に恵まれるか、よほど大量に雇用した場合に限られる。
Daduchosは風、水、地を含の3属性においてそれぞれ50%の確率で獲得するチャンスを1回ずつ持っていて、簡単にレベル2の魔法技能を得られる。
これらの属性はいずれも実用的な戦闘魔法を持ち、作れるマジックアイテムも多い。ただしレベル3まで伸びる確率は低い。なので二つのことを推奨する。
すなわち多様な鍛冶と召喚のためにレインボー型(全ての魔法技能を持つ)の神を作ることと、国に不足しがちな属性を補ってくれるような魔術師(ErytheiaならNaiadやKokythiad等)を召喚すること。
魔法技能を高レベルまで伸ばす方法の詳細は他のガイド(MelficeBelmont's Magic Boosting and Access Guide等)に載っている。

Erytheiaには明確にこれが一番得意という魔法属性がない。
火、風、水、地、星のレベル1は確実に得られる。このうち風、水、地、星はレベル2まで伸びやすい。PrinceとPrincessの魔法技能はレベル3まで伸びる可能性があるが、かなり稀だ。
水1緑1の組み合わせを持つ魔術師を入手すれば確実にレベル3技能を持つ魔術師を召喚できるが、まず水1緑1の魔術師を入手するために多少の運が必要になる。
一方で、特にマジックアイテムの鍛造に有用な非常に多くのクロスパスがある。
死属性は無い。これは大きな問題ではないが、神を使えば簡単に解決できる。(dom6で新設された幻属性も一切持っておらず、それがどれほどの影響をもたらすかは不明)

聖職者に目を向けると、Erytheiaは75ゴールドで聖2を持つNomarchを雇える。
指揮官として運用できるだけのリーダーシップはあるので、彼らにsacred兵を率いさせる選択肢もあるだろう。ニッチな状況で輝く特性も持っているが、彼らのために神の設計で何らかの工夫を凝らす価値は無いだろう。
PrinceとPrincessは聖2を持つが、それぞれ1人ずつ雇用するとイベントを通じてKingとQueenに変化して聖技能も3に上昇する。これによって玉座の請求もやりやすくなる。

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次回は神の設計②、国家戦略について。

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